未来が見える地域史(2013/2/11)

  未来が見えてくる地域史、お国自慢を超えて (2013/2/11)

 

 「さらしな」という地名の響きと日本人の美意識の歴史にこだわって、「更級への旅新聞」を8年にわたって書いてきました。読んだ方からは「それは昔の話でしょ」「こじつけでは」という冷静な感想もたくさんいただきました。それでも、発行し続けるのが「更級への旅新聞」なのですが、「郷土史」と呼ばれる歴史学習への考え方を変えました。

 

 全国各地で地元の歴史や文化を頼りに地域起こしをしようとする動きが盛んです。いいことなのですが、独りよがりになりがちです。地元の歴史・文化をただ自慢げに語られても、「あーそですか」と訪れた人は言うしかなく、そんな体験をすると「また行こう」とは、なかなか思いません。

 

 大事なのは、それぞれの地域の歴史には今の私たちが「豊かに生きられるこんなヒントがある」ということを、来訪客にも目に見えるように示し、かつ分かりやすく解説することです。「説得力がある」と思えると、「こんな所があるんだよ」と自慢げに語らずにはいられなかった経験が幾度となくあります。

 

 「地域の歴史を見直す」と大きく振りかぶるだけでは不十分です。私たちの暮らしや経済活動が郷土史を頼りにせざるを得ない時代である以上、「今だからこそ面白い、学べる、役に立つ」と思えるものを引っ張り出すことが必要だと思います。

 

 「さらしな会議」では、古代から都人のあこがれであった「さらしなの里」は、「恋の里」「縁結びの里」を名乗っていいことが分かったため、それをアピールするマップを作りました。アンズの花の季節のことし2013年4月13日(土)には、地元の音楽好き仲間でつくる「さらしな棚田バンド」が、さらしなの歴史文化と住民のラブストーなどをモチーフにしたオリジナル曲を披露するコンサートを開きます。内容が煮詰まりましたら、あらためてご案内します。

 

 地域史は過去を学ぶだけのものではありません。未来が見えてくるものです。

 

                                           (さらしな堂代表)