さらしなPJ趣意書の改訂版をアップしました

さらしなPJ趣意書・改訂版samuneiru

 

 先にお知らせしていたさらしなプロジェクトの趣意書の改訂版をつくりました。改訂は発起人によるその後の議論を踏まえたものです。

 改訂の趣旨は大きく二つ。一つは、私たちが目指す「さらしなの里」は、姨捨山(冠着山)のすそ野に広がる地域であることを強調したことです。「月の都」は千曲市の鏡台山をはじめ千曲川の両岸に広がる空間です。

 もう一つはキャッチコピーの追加です。来年以降、一貫したテーマで毎年、特集イベントをやりたいという案がでています。そのテーマは「さらしなの美しさ」。これを「美しさらしな」を合い言葉に続けていければと考えています。

 

 以下が改訂版趣意書の文面です。

 

 信濃国の「さらしな」は、古代「月の都」として歌枕となり、都人の大きなあこがれの地でした。千年前の平安時代にはすでに「更級日記」という日記文学が生まれ、江戸時代は俳人、松尾芭蕉が「更科紀行」という紀行文を残し、そばと言えば「さらしな」と言われるほど、「さらしな」は全国に知られたスーパーブランド地名でした。
 ○誇りの共有と経済活動に
 その「さらしな」の中心的な位置を占めているのが長野県千曲市です。古来、歌人の心を最も揺さぶった平安時代の和歌「わが心慰めかねつさらしなや姨捨山にてる月をみて」のテーマになった姨捨山(冠着山)があるからです。姨捨山のすそ野に広がる地域には、都人を引きつけてきた景観が今も残っています。
 その姨捨山のすそ野に広がる全域を、みんなで「さらしなの里」と呼ぶことにしませんか。「さらしな」で千年にわたって育まれてきた日本人の文化や美意識を再発見し、元気な地域づくりにつなげませんか。「さらしな」の地に生きることの誇りと喜びを共有し、千年の歴史文化を経済活動に活用し、子どもや孫の代まで千曲市で生計を営んでいける土台を作りませんか…それがこのプロジェクトの狙いです。
 ○「さらしなの里」冠してより魅力的に
 千曲市をはじめとする姨捨山のすそ野に広がる地域では、すでに文化、教育、福祉など暮らしに密着した分野で、いくつもの住民の活動が展開されています。こうした活動の担い手のみなさんと一緒に、「さらしな」というスーパーブランド地名の舞台に上がりたいと思います。「さらしな」というスーパーブランド地名の旗のもとに結集し、お互いに活動の魅力を高め合いましょう。イベントや特産物・商品には「さらしなの里」を冠することで、その魅力や価値はさらに伝わりやすくなるのではないでしょうか。
 ○「美しさらしな」
 これからの取り組みの統一テーマを「さらしなの美しさ」にしたらどうかと考えています。「美しさ」とは俳句和歌の文芸、月の都、棚田、千曲川の景観…そして「さらしな」という地名の美しさです。「花の吉野・月のさらしな」という言葉には日本人の美意識が凝縮されています。「さらしなの美しさ」をテーマに講演会、シンポジウム、絵画の鑑賞会、音楽会、ウオーキングなどをシリーズで毎年開き、市内外のみなさん、全国、世界の人たちにさらしなをの奥深さと美しさを知ってもらいたいと思います。「美しさらしな」をキャッチコピーにできればと考えています。
 発起人の中には、国の重要文化的景観の姨捨棚田は世界遺産にふさわしいという声があります。千年にわたる日本人の美意識がこの地で体感できるからです。月をモチーフにした芸術文化を現代的にとらえ直したいという人もいます。さらしなにまつわる歴史や文化を子どもにわかりやすく、英語でも解説したいという声もあります。
 ○100年後を視野に
 昨年、合併から10年が経過した長野県千曲市が、その成果と課題を確認して次に進むタイミングに取り組むに値するプロジェクトだと考えています。100年後を視野に入れた「さらしなの里づくり」について、みなさんと一緒に議論し、アイデアを出し、実行していきたいと考えています。

                         2014年 11月 吉日
                            さらしなルネサンス 発起人一同

 

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