さらしなの歌

*自作の短歌、随時アップしています

1月25日 千曲川 月の都の真中ゆき白き流れをいっそう磨く

     千曲川 たっぷり曲がる北信へ運べり月の都のひかり

1月24日 古峠
    目の前に広ごる見たる都人「ここがさらしな」古峠に立ち

    土地の名を呼べば清しき躍動のしなのの国のさらしなの里

1月23日 春探しの山
    早春はどうのやまにて春さがす遠足のあり更級保育

    さらしなの友の会誌に載せるべく園児とともにどうのやま訪ふ

    どうのやま入(い)るには沢を渡らねば丸太の橋の向こうに園

    手を伸べて迎うる丸太の橋のうえ信頼という情操教育

    どうのやま里山として秋なれば落ち葉あつめき児童のわれは

    どうのやま長じて堂と書くを知るどんぐり拾いの記憶かなし

    丸太橋渡しし人の息子なる公人さん継ぐ春探しの山

1月19日 伝説の教師
    思春期のわれらに差しだし叫びおり「いーろりったあい」と美術教師

    がらくたとしか思えないしなじなで埋まりていたり教壇まわ

    生き物は朽ちゆくさまも美しと鳥の死骸を見つけし女子

    地元なる美術館にて回顧展あれば集まる伝説かずかず

    兵隊に召されしときの自画像が買えるのならば買いたかりけり

1月17日 特急の停まりし戸倉のホームには大書歓迎さらしなの湯と

     上山田温泉境に更級の郡(こおり)にあるを誇りし宿あり

     境向こうむかし更級村なりし 合併により埴科郡(ごおり)

     右なるは埴科左は更級の郡と彫りし石碑(いしぶみ)いずこ

1月16日 花も月も二都への迷い埋づもれる信濃分去れ熾火のごとく

1月13日 千年に一度の地震(な い)に浮き沈むその関係にある更級埴科

     千年に一度の地震のしわざにて月の都という今があり

     千年に一度の地震の直近は1847善光寺地震

1月12日 千曲市の魅力アップにさらしなを使わずにいるもったいなさ

     棚田よしさらに深掘りさらしなでいってみないか初めの日本

1月11日 合併は地名遺産を生みだしてわれ始めたり更級への旅

1月10日 更級日記
    来し方を物語らんと平安のおみな使ひし更級の地名

    訪ひしことなき更級が浮かびきておみなの日記文学となる

    記載なき更級こそが題名とおみな現代作家のごとし

1月9日 千曲どんぶり
    すずめ焼き母が注文われが行き豊味(とよあじ)食堂奥に厨房

    すずめ開くすがたに割きし鮒(ふな)揚げて甘から醤油に漬けて香ばし

    豊味のおじさん千曲川に獲り品書きつくると媼言いけり

    鯉(こい)肉のうすき切り身のフライありさくさく食めばほの苦みせり

    好物は千曲どんぶり鯉(こい)のフライ卵でとじて青豆のせて

    上がり口に置かるどんぶりカキンとう音色ののちの放たるかおり

1月5日 往生寺坂
    千年の変わりめにわれ故郷に家族で赴にん往生寺に住む

    善光(よしみつ)の寺のうえの地往生寺りんご畑を上れば御寺

    日々下り上るを二年続けたり天界ごとき坂の上のわれ

    店先にコロッケ吾子と買いにいく手つなぎ下る往生寺坂

    熱々のコロッケほおばり吾子たちと上りし夕の往生寺坂  

1月4日 力ある人の助けを借りながら力ある地名使わぬ不思議

    土地の名がブランドであるそれつまり強力地名ちいき起こしの

1月3日 さらしなの歌碑
    月露霜(つきつゆしも)しぐれも雪にとさらしなを白く詠む歌 佐良志奈神社に

    さらしなを白く遊べる都人の歌碑あり誕生 更級村は

    都人楽しからんや下句にてさらしさらせるさらしなと詠み

1月2日 さらしなとはにしな一つのまちになりしなのの国のハートをなせる

2021年元日 さらしなにひと峯冠着ふた峯の鏡台さらに三峯山あり

      さらしなにおはつせ黒彦しらすけの都の三貴種ゆかりの名の在り   

12月31日 聞き分けのなきわれ倉庫に入れられて天照(あまてらす)なる岩屋を知らず

     君島のおばさんとびら開けくれし天手力男神(あめのたじからおのかみ)なりき

     君島さんののり巻きうましお産する妻にかわりて長女につくる

     たまご焼き干瓢を煮て米を敷きすのこ戻せばいのちの温もり

12月30日 旧更級村の入口にあった大谷商店。閉店して10年
     歳末の店番たのし強火力ストーブのまど炎おどれり

     餅のせばみんなの視線そそがれてまずはわれ食む砂糖醤油に

     店先に積み上ぐみかんの白き箱ふるふる雪にだいだいまぶし

     閉店に母は贈らる「バス停の店」とう歌をわれの友より

12月27日 意味などは考えぬ名が詠まれればその優美さよ万葉橋の

12月23日 さらしなには沢を渡ってのぼる堂の山という里山がある
     堂の山の芽吹きのにぎわい幼らが春を探しに丸太わたれば

     大谷の正平さんが架けくれし丸太橋にて森に親しみ

12月22日 ほめるコツ「さすが」「すごいね」「すばらしい」3Sと聞きさらしなを足す

12月20日 2020年は更級日記作者が少女期を過ごした上総国(千葉県市原市)を旅立って千年。地元ではさまざまな「千年紀」事業

     旅立たれ千年たちし上総国いまも謳えり更級の名を

     上総国の国分寺へとつながれる駅よりの道「更級通り」

     更級の日記作者の育ちしを誇れる町のそば屋「更科」

     「さらしな」とひらがな大書の白木板厨房うえに掲げられけ

     カレー南蛮たのみ構想あたためる月の都のさらしなの里

12月19日 千曲市出身の日本美術院同人、日本画家の倉島重友さんの新作を見て
     実りとは輝きである七年の時も実れる「豊穣の棚田」     

12月13日 土地の名は戦略である合併を活用したり更級村長

12月12日 さらしなは心のキャンバスそれぞれが色をのせたり描いてみたり

11月28日 千曲川西堤防を走るわれさらしな一望ビューラインなり

     さらしなのビューラインだと繰り返しいつかみんなで「さらビューライン」

11月1日 万代(よろずよ)にしげる万の言の葉の一葉われはさらしなに在り

10月17日 児を抱(いだ)く姿の岩と見上ぐるに打たれて刺さる太き大釘

10月14日 川原がすみかでありし粟うづら宮を飾りて災い防ぐ

     もち食めばさらさらすべすべ身も心詣でしときはうづらやの茶屋

10月13日 ナウマンゾウ歩みし道なり千曲川月の都の地盤を固む

10月11日 御麓(みふもと)と書く山里に日は沈み久露と書く滝黒滝となる

10月1日 中秋
     日本の遺産となりてさらしなの月はればれと舞台に上がる 

     日本の遺産となれるさらしなの月奥ゆかし見えては隠る

9月21日 夜の棚田つき影吸いてま黒闇ここにおわせり大日如来

8月15日 平和橋
    平和橋 映画「ビルマの竪琴」に DVDをアマゾンに買う

    木橋の平和橋なり川向こうの高校通い路車輪のひびき

    両岸は田畑のみなり西先のお八幡(はちまん)さんへの道なりし

    僧演ず中井貴一の光背としてそびえたり冠着山は

    ふたたびの戦争のなき願いこめ名づけられしと今に知りたり

8月1日 首都の五輪二度目のはずの二〇二〇 月の都は日本遺産に

    大きなる望月二つ照らす年 月の都は輝きませり

7月28日 冠着例大祭
    いただきに一夜籠もりて冠着の精霊に会うさらしなびとは