158号・現代によみがえった冠着十三仏

 シリーズ146147で紹介した冠着山(別名・姨捨山)の十三仏の復元作業が5月19日(2012年)に行われ、整備がとりあえず完了しました。
 十三仏とは人は死後、十三の仏さんの審判を経て極楽浄土に到達すると考えられてきた風習にちなむ呼び名です。初七日、四十九日、三回忌などと今でも亡くなった人の法要が営まれますが、法要の節目にほぼ対応しています。
 冠着山財産区をはじめ地元の区長さん、更級人風月の会のメンバー、冠着山が大好きな人たちが、十三仏の地名が残る坊城平の一角に入り、岩の周辺や岩の上に繁茂した草ややぶを払いました。その後、散在する大岩を十三の仏さんそれぞれに見立て、名前を書いた木製の札を立てました。最後に明徳寺住職、塚原弘昭さんによるお魂入れの儀式を行いました。冠着山頂への登山道沿いに「冠着十三仏」と書いた案内板も立てました。
 作業後の懇親会では、極楽への弔い上げとなる13番目の「虚空蔵菩薩」の岩の上にある、松代地震で崩落した巨岩を、「浄土岩」と名付けたらどうかという提案も出ました。冠着山には、掘り起こせば宝となるものがたくさんあることをみんなで再確認しました。

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