美しさらしな(14) 思い出の「青木屋」旅館

 美しさらしな(13)で書いた、さらしなの里の戦前の春先景色絵画を調べる中で、姨捨駅近くの「青木屋」という旅館の名前が出てきた。確か青木屋は、「氷壁」で一定の年齢以上の信州人にはなじみが深い作家の井上靖が「姨捨」を書くときに泊まった旅館。現在はないが、どんな旅館なのか知りたいと思っていた。それでネットで「姨捨」と「青木屋」をキーワードに検索してみたら、昭和40年代前半(1965~70)の姨捨駅界隈の様子がよくわかるブログを見つけた。
 「しゅうちゃんのお出かけ日記」。団塊世代の「シュウチャン」がやっているブログで、青年時代に訪ねて撮った全国各地の鉄道や駅の写真をコメントを添えて紹介している。この中に姨捨駅のこともかなりの量で載っている。当時はもう消えようとしていたSLの雄姿、構造改善がまだ行われていないために5メートルを超えるような高い畔の棚田、善光寺平の景観…。その中にシュウチャンが泊まった青木屋の写真もあり、特にすごいのが、青木屋で出された夕食の料理の写真。味噌汁、大盛ご飯、おかずは色がついていないのではっきりとはわからないが、卵焼き(オムレツ?)、菜っ葉の漬物、昆布入りの煮豆、魚の甘露煮?塩焼き?、もう一つ何かある。うまそう。
 ブログから1枚だけ写真をコピーさせてもらいここに掲載。「しゅうちゃんのお出かけ日記」には貴重なお宝写真がたくさんある。