174号・太陽、月のふもとの「御麓」

更旅174・みろく・サムネイル

  この写真は、冠着山の西にある「古峠(ことうげ)」と呼ばれる場所から北側の千曲市を望むと眼下にみえる集落「御麓」です。その名前の由来がずっと不思議だったのですが、さらしなの里で一番高地にあり、太陽と月がその後方の古峠を含む山並みの向こう側に沈むことから気づきました。太陽と月は、人々が手を合わせたり、自分を映し出したりして、信仰心を寄せる星だったので、「お天道さま」と「お月さま」がお隠れになるふもと(麓)という呼び名を与えたのかもしれない……
  古峠は古代、都と善光寺方面を抜けて日本海に通じる国道が通過するポイントだったとも言われます。その当時に御麓集落があったかどうか分かりませんが、写真の上方にある千曲川の流れとセットで里を眺めていたはずです。集落の左側にはJR篠ノ井線の線路が走っています。この部分にもスイッチバックの構造が組み込まれています。 (画像をクリックすると、PDFが現れ、印刷できます)