182号・月の都のサクラソウ

更旅・サクラソウ月の都サムネイル

 春から初夏にかけてのさらしなの里を代表する風物詩の一つが、千曲市羽尾四区にお住まいの塚田正志さんが育てているサクラソウです。塚田さんは約200種類、約500鉢を育てており、認定種の一つ「月の都」の苗を、わが家にも持ってきてくださいました。
 この名前をだれがどのように付けたのか詳しいことはわかりませんが、何よりうれしいのは、花弁が表裏ともに純白色であることです。江戸末期に作られた種類だそうで、当時から「月の都」の色のイメージは白でとらえられていたことになります。「さらしな」の地名が呼び起こしてきた白のイメージと重なります。
 塚田さんのご自宅の庭に展示された鉢植えのサクラソウの群舞は圧巻です。「月の都」のほかにも、「月の宴」「真如の月」「雪月花」、さらに「美女の舞」など、命名の由来を想像するのが楽しい鉢植えがたくさんあります。 (画像をクリックすると、PDFが現れ、印刷できます)