更旅219号・大空に浮かぶ孝子観音

更旅・大空の孝子観音samuneiru  この写真は長野県千曲市羽尾(旧更級郡更級村)の郷嶺山に鎮座する「孝子観音」のお顔の部分をアップにしたものです。孝子観音は親孝行する者を慈しむ菩薩様。背丈ぐらいの台座の上にさらに背丈ほどの像が載っているので、なかなか表情までは見ることができなかったのですが、望遠レンズで見てみました。なんときも優美な表情。痩身、女性的な姿で慈悲に満ちている感じがしました。大空に浮かんでいるよう。視線の先はさらしなの里です。
 姨捨伝説をモチーフにした深沢七郎さんの小説「楢山節考」が昭和31年(1956)年に出版された際、更級村出身者でつくる東京更級会のみなさんが「姨捨山(冠着山)の麓の人間が親不孝者とみなされている向きがある」と残念に思い、1961年に建立した鋳造仏像です。孝子観音と東京更級会についてはシリーズ23号、郷嶺山は92218号などをご覧ください。

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