さらしなの里友の会だより55号をアップ!

55号のトップページは、更級地区が更級村時代だったときの全村長の写真額を更級小郷土資料室に掲示したことについてです。さらしなの里友の会の会長、副会長も交代し、新たな態勢でスタート。さらしなの里のシンボルである冠着山(姨捨山)の総合的なガイド冊子も出来上がりました。画像クリックで拡大、印刷できます。

更級村歴代村長21人が更級小学校に集結

 更級地区が「更級村」という名の自治体だったときの村長21人の肖像写真額を、更級小学校の郷土資料室(県道側校舎3階)に6月21日、掲示しました。
 「更級村」は明治時代、全国で近代自治体が編成されたときにできた村の名前。江戸時代までは若宮、須坂、羽尾という小規模の3村が合併することになり、初代村長となる羽尾の塚田小右衛門さんが「新村名は苦情もこれ有り候とも、わが意見を以って更級村と改称する」という執念で決めました。残念ながら昭和30年(1955)、戸倉町と合併し、村名はなくなりましたが、「更級」に込めた村長の思いは小学校の名前にしっかり残っています。
 肖像写真額は、旧更級村役場の場所にあった更級コミュニティセンター2階に掲示されていたのですが、令和5年度の解体に伴い、行方不明になりました。心配した森正文さん(羽尾5区)と一緒に探したところ、当時の千曲市教育長小松信美さん(現さらしなの里友の会会長)から歴史文化財センターに保管と連絡がありました。ただ収蔵庫に入り、このままでは日の目を見ないので「さらしなの里友の会の企画部の事業として更級小に掲示する」と伝え、貸し出しを受けました。
 掲示に際しては、額を一つずつ布でほこりを払ったり拭いたりしました。杉の木を組み合わせ軽く頑丈で、しつらえがとても良いです。フィルムが主流になる前のガラス乾板によるモノクロ写真が多いとみられ、今も表情は鮮明。額の中で配置が傾いていた村長も何人かおり直しました。首や肩の痛みもなくなるでしょう。
 郷土資料室には校舎が新築されたときに設けられたとみられる額受けの部品と場所が2段22人分すでにあり、歴代村長を待っていたかのようでした。後日、更級小の赤羽美知子校長からうれしい知らせがありました。森正文さんと一緒に掲示作業をした日の夕方、見事な虹がさらしなの里に架かったと言います。「歴代村長さんたちが喜びを表現してくれたのでは」と赤羽校長。ご覧になりたい方は学校に連絡くださいとのことです。           (芝原区・大谷善邦)

〝特設プラネタリウム〟で親子が星空楽しむ

 さらしなの里古代体験パークは、夜になると結構暗い場所です。そこで、施設の有効活用を目的に、市内小学4年生から6年生を対象とした星空観察会を、流れ星が多く流れる夏の天文イベント「ペルセウス座流星群」の時期に合わせ8月中旬に企画しました。
 7月に参加者を募集したところ、保護者を含め34名の申し込みがありました。
 星の観察会は、晴れることが絶対条件です。ところが、この日は朝からどんよりとした曇り空。晴れてくれることを祈りつつ、観察会の準備をしながら夜を迎えましたが雲がなくなる気配はありません。資料館内で雨天・曇天時用にと用意しておいた〝特設プラネタリウム〟での星空解説とパワーポイントを使った星の話のほか、星座早見盤の使い方の説明をしました。
 中には、夏休みの自由研究課題として参加してくれた子どもたちもいたので、できることなら実際の星空や流れ星を観てほしかったのです。それでも、特設プラネタリウムで歓声が上がったり、用意した資料にメモをとったりして、みなさんそれぞれに楽しんでくれたようです。
 (さらしなの里歴史資料館学芸係長・寺島孝典)

冠着山と共に 千曲市八幡 松田祐子

 2階の部屋の窓からは、冠着山、姨捨駅、そして幾重にも連なる棚田が見渡せます。
 夜になると、空には月が浮かびます。
 昨夜の月は、明日の満月を待つように、ひときわ大きく、静かに輝いていました。
 その月明かりの下、姨捨駅に停まる列車。スイッチバックする列車。すれ違う列車。車体は月光を受けて一瞬きらめき、やがてゆっくりと冠着のお山へ消えていきます。
 まるで、ご祭神ツクヨミノ尊の懐へ、列車そのものが吸い込まれていくようです。
 今年も7月28日は、お山のお祀りの日でした。
 雨乞いのお祀りとされ、お祀りの後には、たとえパラリとでも雨が降る―そう伝えられ、実際に毎年のように雨が降ります。
 昨年までは、お祀りの前夜、石組みのお社にお籠りしました。暗い山中では、ヒメボタルが淡い光を灯し、神さまのお使いとされる蛇にも出会うと聞きます。
 翌朝、お供えや荷物を背負い、山道を登ります。準備を整え、宮司によって厳かにお祀りが執り行われます。
 晴れた日には富士山を望み、眼下には善光寺平が広がります。
 祈りを終え、直会をして山を下る。
 人の暮らしと祈りを、月と山と列車が静かに見守る。
 冠着山は、今日もそこにあります。

「さらしなの里友の会」会長、副会長が交代

 さらしなの里友の会の総会が5月16日、さらしなの里歴史資料館で行われ、豊城巖会長と野本洋子副会長が退任、新会長に小松信美さん(右から3人目)、新副会長に矢島いつ美さん(同2人目)の就任が決まりました。 豊城巖さんは大谷秀志初代会長の死去に伴い2006年、任に着きました。歴史資料館の開設にも尽力した方で、実行委員長を務めてきたさらしなの里縄文まつりが昨年31回となったのを節目にしたいとのことです。野本さんは初めての女性副会長。女性や子どもたちと培った幅広いネットワークで友の会にご尽力くださいました。
 新会長の小松さんは前千曲市教育長で、仙石区在住。新副会長の矢島さんは羽尾4区在住。地域活動に熱心で、野本さんの引き継ぎ要請を快くお引き受けくださいました。
 なお、今後も豊城さんは顧問として、野本さんは会員として友の会に関ります。総会ではまた新しい専門部として「さらしなの里の魅力を紹介する事業を行う」企画部の新設も承認されました。部長は芝原区の大谷善邦さん(右端)です。

歴史文化・絆 未来に  新会長 小松 信美

 会員の皆さまにおかれましては、日頃より「さらしなの里友の会」の活動に多大なるご支援とご協力を賜り、心より厚く御礼申し上げます。
 このたび「さらしなの里友の会」会長を拝命しました小松信美でございます。大変微力ではございますが、地域の豊かな歴史と文化と絆を次の世代へ継承すべく、さまざまな活動に精一杯取り組んでまいる所存です。
 今まで友の会を支え、伝統ある「縄文まつり」を盛り上げ継承発展させてこられた、前会長の豊城巖様には、心より感謝と敬意を表するものであります。ありがとうございました。 
 今年のまつりでは、更級小学校全6学年の子どもが企画運営する体験コーナーを設けました。今後は、若い世代が活躍できる「未来につながる縄文まつり」を目指し、学校・地域と連携し活動を積み上げられればと思います。会員の皆さまには、変わらぬご高配をお願い申し上げます。

絆深める縄文まつり 新副会長 矢島 いつ美

 「さらしなの里友の会」副会長の大役を務めさせていただ くことになりました 。会の発足時より参加、ご活躍されたかたがたのようにはまいりませんが、会長はじめ役員・会員の皆さまのご理解とご協 力をいただき務めてまいりたく存じます 。
 友の会の中心事業は縄文まつりで、 今 年は32 回目となります。私の友の会と 縄文まつりとの出会い、関りは20年近 くになります。当初は、義母の荷物特 ちとその手伝いでした。が、いつから か「きび餅作り」の担当となり、現在に至ります。春からおまつりで使用する野菜作りなど準備が始まります。更級小学校は、 全校を挙げ学年ごとに役割を担い参加してくれます。
 地域の皆さまと子どもたちが共に作り上げているこのおまつりは、更級の絆を深め、元気にしてくれていると感 じております 。縄文まつりの灯を消さないよう繋いでいきたいと思っております。

冠着山のガイド冊子が完成

 「さらしな」と「姨捨山」は歌枕で、平安時代からスーパブランド名です。そして、冠着山(姨捨山)は、市内13小中学校のうち10校の校歌で歌われているシンボルの山でもあります。
 さまざまな神が祀られている霊峰でパワースポット、農業の神の山、姨捨伝説の山、姨捨山文学の山、修験道場の山、信州百名山、長い歴史と文化を秘めた山、ヒメボタルの生息する山、冠着山砦のある山、地元の入会山、トレッカー人気の里山等々、数多くの話題を秘めた千曲市のランドマークであります。
 昔からこの山は、更級山、姨捨山、冠山(こうぶりやま)、帽著山(ぼうじょやま)、冠力岳(かぶりきだけ)とも呼ばれてきました。これだけいろいろの名称があるということは、それだけ地域の人びとに親しまれ愛されてきた証しです。
 歌枕である「さらしな」は、市民団体「さらしなルネサンス」によって「美しさらしな」という素晴らしい冊子になりました。その時、同じ歌枕である「姨捨山」(冠着山)も冊子にしようと決意して何年も経ちました。ようやく「冠着山の自然と文化遺産を保存する会」が冊子を発行できました。
 A4判、フルカラー36ページ。冠着山に関する歴史、文化、地質、動植物のほか冠着山の成り立ちについても写真や図をたっぷり使って紹介しています。「美しさらしな」同様、冠着山の麓の全戸に配布し御覧いただく所存です。11月上旬にはお手元に届けられるでしょう。
 この冊子がきっかけとなって、この山の魅力再発見の機会となるとともに、冠着山が由緒ある故郷の山として、地域の誇りとなることを願っています。
 なお、この冊子の発行に合わせ、「冠着山の自然と文化遺産を保存する会」のホームページ(サイト)も開設しました。興味関心があればだれでも冊子の画像をダウンロードして印刷できるようにしてあります。冠着山を愛する更級地区住民の過去現在の活動についても、写真と一緒に紹介しています。会に関係する今後のイベントや企画などもこのホームページで発信していく予定です。
 (冠着山の自然と文化遺産を保存する会事務局長・上水清=羽尾5区)